2015年6月14日日曜日

カイト・ハイドロフォイル、翼好きにはたまりません!

昨年からボチボチ練習を始めたハイドロフォイル、ようやく、走りながらじっくり水中のウイングの様子を体感したり、操作に対する反応をチェックしたりする余裕が出て来て、カイトとの相性も体系的なイメージが出来てきたので、ここらで一度まとめておこうと思いキーボードに向かっています。

まず、あまり聞き慣れないハイドロフォイルについて、少し説明しましょうね。近年カイトボード業界の一角で熱い注目を集めている、まぁ、一言で言ってしまえば水中翼船です。1m近いマストの下に主翼と尾翼を備えたウイングをセットしたボードに乗り、速度が増すと、ボードは浮き上がるので、接水抵抗極小の状態で滑走できる、かなり特殊なボードです。主翼のスパンは50cm強、尾翼は30cmくらい。胴体は直径2cmくらいで、マストは厚さ1cm程度。当然ティアドロップの断面なので、流体の中での抵抗は数mm相当でしょうねきっと。こいつに支えられてボードと人間は宙を浮いて走るので、滑走時の抵抗は極小。カイトボードにつきものの、水はねの音や水しぶきは一切ありません。また、ウイングは水中、ボードは空中なので、水面の乱れから来る震動も一切無し。ディープパウダーを滑るスノーボードに喩えられる、その乗り味は水上スポーツでは他に似たものは無いでしょう。

で、ここまでに感じた事を簡単にまとめてしまうと、まず、夏の風には最強のビークル(フリートと言うべきか?)です。それと、翼(ウイング)好きに、これほど贅沢なおもちゃは有りません! 
微風最強という評価はすでに定評となっているので、もう少し掘り下げて語りましょう。昨日は3~5mの南西風。海上には白波も出ているし、体感もいけそうなのだけど、空気は水分をたっぷり含んで軽いので、カイト(エッジV8 10.0)を上げてもまっすぐ真上でとどめておくと落ちてきてしまう難しいコンディション。それでも、いったんスタートしてボードが浮いてしまうと、まったく問題無く自由自在に走れます。少し風が上がってから、仲間がゼファー&微風用サーフボードで、ようやく出た所に帰ってこられるくらいの風では、もう全くジャスト、風が足りないと感じる事は全く有りません。なるほど、ハイドロフォイルのライダーからフリーライドにはもう必要無いと、エッジ13が帰ってくるのも納得です。ということは、これ、ハイドロフォイルの出現で夏場のカイトボーダーのオプションが一つ増えたという事になります。つまり、ゼファーなどの微風用カイトと微風用のデカボードを買う代わりに、ハイドロフォイルを手に入れれば(それと真面目に練習すれば…)微風用カイト&デカボードよりも遙かに弱い風から自由に走れてしまうという事です。
ここで、良いことばかりでは無い事を一点申し添えておきましょうね。今回気がついた、なにゆえ、ハイドロフォイルの相棒にかくもハイアスペクト・ラムエアーカイトがもてはやされるか? に関する論考です。実はハイドロフォイル、アンダーにはものすごく強いですけど、オーバーはすこぶる苦手です(すくなくともビギナーには…)。ですから通常のカイトボードに比べて常に小さいサイズのカイトを上げて練習することになります。みんなが10や12で走っている時に8や7で走るのは全く問題ありません。でも、皆がゼファーやエッジ19でようやく走るくらいの風の時にインフレータブルの10㎡あたりを持ち出すと、まず”飛ばしておくのが困難”なのです。僕は怪しい風の中、カイトを飛ばしておく事については、かなり自信があるほうなのですが、それでもかなり気を遣ってカイトを失速させないよう操作していました。 同じ風でもゼファーやエッジの大きいサイズなら、そこまで気を使わなくても良いのですが、それでは走り出した後にハイドロフォイルにはオーバーになってしまいます。この風の中、10や11でも全くけろっとして空中に浮いているクロノやR1を組み合わせると本当に快適! 逆にもっと微風側を攻められるものだから、限界を割ってしまって、カイトを回収してパドリングで帰ってくる羽目になる事があるくらいです。(こんなとき浮力に余裕のあるハイドロフォイルボードは安心、おまけにフォイルが良いスタビライザーになるので、パドリング時のボードがすごく安定しています!)というわけで良いことばかりじゃないけど、夏の相棒としてはすごく楽しい相手であるという事がまず一点。
続いて、ウイング好きにはたまらないという点について論考。これまでも何度か言及したとおり、ハイドロフォイルボードはボードというよりもウイングで、ボードと人間はマストに支えられて宙に浮いています。で、その動力源は25m上空のカイト=これもウイング。つまり、ライダーは上空と水中の二つのウイングを駆使して水上を低空飛行している状態なのです。ハイドロフォイルボードのマストは通常80〜100cm。ウイングは水上に出てしまうと当然失速して浮力を失ってしまうので、ライダーはウイングのピッチをコントロールして、水上0mから60~70cmくらいの高さで水中翼を水平飛行させてやらなければいけません。想像してみてください。スパン50cm強センターコード10cm強の主翼を保つ機体を体重移動でピッチコントロールさせて水中で水平飛行させるイメージを。水中でのウイングの挙動は全くもって空中のそれと同じ、上昇しすぎて速度が落ちたら、ノーズ下げしてあげれば、直ちに加速しながら沈み始め、そこから水平飛行に戻ると地面効果さながらにハイスピードで水平滑空を始めます。もちろんピッチだけじゃなくて、ロールも全て体重移動で操作するので、ちょっと盛って喩えると、メーヴェの上に立って体重移動でウイングを操作するナウシカの気分です。おまけに、パワーソースは上空に控えたカイトなので、二つのウイングを同時に操作しながら水上数10センチを飛んでいくという事になるわけです。どうですか、これを読んでいるパラ&ハングフライヤー諸氏もちょっと興味を惹かれちゃったりするでしょ? 最近、あぁ、ハイドロフォイルとハイアスペクト・ウォーターリランチャブル・ラムエアーカイトの出現で、これまでのパラグライダーとカイトボードの経験は見事に一つに結実しているなぁ、なんて感慨にふける今日この頃なのでした。


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