2013年3月23日土曜日

イエローナイフ・スノーカイト&オーロラ鑑賞トリップ報告






2年前に旅行代理店とのタイアップで試験的に開催したオーロラ鑑賞とスノーカイトをカップリングさせる旅行企画。あいにくながら、開催にこぎ着けるまで旅行代理店の方が存続せず、昨年の開催は成らなかったのですが、是非行きたいというメンバーのリクエストに応えて、ただいま、イエローナイフに来ています。
1〜2日目
成田からカルガリーを経てイエローナイフに入った僕らはホテルにチェックインした後に、早速その日からオーロラ鑑賞のベースとなるキャビンへ。ところが、今回は予め予報を見て危惧したとおり、前半は低気圧の圏内に入ってしまって、空には雲が重く垂れ込めてしまいオーロラどころでは無し。それでも午後1時過ぎまで待ってホテルに戻り明日に備えます。オーロラ鑑賞は深夜12時から3時くらいにまで及ぶ事が多く、翌日スノーカイトを楽しむ僕らは睡眠時間が少なくなるのが悩みの種。それでも時差ボケ混じりの強烈な眠気を吹き飛ばすがごとく、翌日は朝からほどよい南風。現地のスノーカイターと合流する約束を取り付け、グレートスレイブ湖のアイスロードへ出発。風は弱めなりに安定した3〜4mの南。初日としては、まずまずのコンディションで午後3時くらいまで、各自ライディングを楽しみました。まずまず、満足のいった初日のスノーカイトに比べ、その晩のオーロラは初日に続き、雲に覆われ今ひとつ。残念ながら二晩連続の敗退となりました。
3日目
三日目は低気圧の最後の谷が通り過ぎ、夜からは晴れる予報。みんなのマインドもすっかりオーロラ勝負に傾いて、昼間は朝から犬ぞり体験に浮気心を出すものも出る始末。しかし、それも当然、その日の予報は日中でやっと北風4k/h。僕もスノーカイトに出る事は勧められません。空いている時間の犬そり体験を予約した後に、スノーカイト組を引き連れて、アイスロードに繰り出すも、風は1m程度の微風。周辺の観天望気からも、予めチェックした天気図からもポジティブな見方は出てこなかったので、あっさり諦めて午後は自由行動。夕方から犬ぞり組が出動するパターンで夜のオーロラに備えました。
ブレイクアップ
夜も序盤は少々停滞気味。遠くに見える雲を指してあれがオーロラじゃないか? なんて過ごしたのは最初のうち、オーロラ待ちも三日目ともなると慣れたもので、昼間仕入れたトランプを広げ大貧民大会。罰ゲームは昼間食べたベトナム料理レストランの付け合わせに出たなぞの”きなこヌードル”(激マズ!)。そうこうするうちオーロラ出現の報を受け、小屋の外へ。空にはうっすらとオーロラが横切り、みんな歓声を上げるが、もちろんブレイクアップを体験した事のある者にはこんなものはただの序盤に過ぎない事は先刻御承知。しばらくすると徐々に消えてきてしまったので、再び小屋に大貧民の続きをしに戻る。その日の終了時刻も近づいて、あれで終わりかなぁ…と諦めかけた頃、北西の空に新たなオーロラが出現。弱いながらも空を横切る長大な光の帯は、よく考えてみると人間が観測する最大の気象現象なのでは? そのスケールも一つオーロラが人々を魅了する理由の一つなのかも、とか思いながら鑑賞するうちにオーロラが徐々に頭上に近づいて来る。「あ、これはブレイクアップするかも?」と思い、注意してみていると次第に強くなってきた光の帯は、降り注ぐ雨のようにうねり、その姿を変えながら僕らの頭上へやってきた。以前のレポートにも書いたがその時みんなの口から出る言葉は「凄い!」の一言。確かに陳腐な言葉でこの体験は表現出来ない。ブレイクアップは僕らの頭上でうねりながら数十分にわたり続き、初日としては充分美しいオーロラを全員が体験出来たのでした。嬉しかったのは、参加者の何名か、カイトに出会い、この時間を過ごせた事にお礼を言ってくれた事。僕は別に大した事はしていないのだけど、みんなの心に深くしみこみ、そんな言葉を口にさせてしまうオーロラという天体現象は鑑賞なんて言葉ではなくて体験と表現する方が適切だと常々思う。このレポートを読んでオーロラに興味を持った方は、是非、写真や、映像でそれを鑑賞して終わるのでは無く、一度、宇宙から降り注ぐ光の帯の下にその身をさらしてみて欲しい。目で見るだけでなく五感で感じる体験が、下手をすれば人生観さえ替えてしまいかねない、圧倒的な力で迫ってくるのをきっと体験出来ると思うから。
さて、ここから度は後半戦。オーロラ予報もスノーカイトも予報は好転。日中のスノーカイトに備えて今夜はもう寝ます。皆さん続きのレポートをお楽しみに。

2013ゼファーインプレ


ゼファー2013インプレッション
 先日やっとじっくりゼファー2013に乗る機会を得たのでインプレなど。
 カイトをセットアップして最初に得た感想は、持った時にすでに感じられる軽さ。このテスト後にすぐに試乗希望の販売店に送ってしまったので、重量の比較はまだしていないけど、確実に前モデルよりも軽量化が施されている。ざっと見たところ外見上の違いは、チップが絞り込まれて、エッジのような翼端になったこと、ストラットが細く、バックラインの取り付けが2点から取ったものを一本にまとめる形になったことなど。それ以外には特に大きな変更は見て取れないが、メーカーによると、プロファイル、平面型ともに全面的に新しくデザインしなおされているとのこと。実際に飛ばしてみると、バープレッシャーは軽く、ターンの反応は素早く、切り返しも早い。2012年モデルと比較してみたところ、静止した状態からターンを始めた時の反応は旧モデルも変わらず早いのだが、そのカイトを切り返した時に差が歴然と生じる。その事がライディングにもたらす変化については後で詳しく触れる。飛行中の安定感は増した印象。この前日試した時は、ときどきスポットで抜ける大変不安定な風だったが、終始カイトを落とす事は無かった。
 第一日目:
 ビーチは沼津。西風が変に回り込んで、南西で吹き込む大変怪しい風の中スタート。2012ゼファーで仲間がライディングしていたが、風が落ちたので、あきらめて休憩をしている中スタート。確かに風は足りない。カイトのトラクションはしっかり感じられるが、水に入ってスタートのためにボードを履くと、浮いた体を波に風下方向に持って行かれて、カイトを落としてしまうことがしばしばあるレベルの微風だ。やはり2013ゼファーでも、それだけの微風になると取り扱いに気を遣うが、安定感は高く、その状態からの振り下ろし操作にも反応が明らかに旧ゼファーよりも早い。ボードに立ち上がって、速度を得るために二度三度と振ると、カイトの進化は歴然と現れる。ゼファーは、そのデビュー当時、それまで考えられていた微風用のビッグカイトとしては考えられない操作の軽さ、反応の早さが今日の微風用”17平米”ブームを作ったと言えるが(実際、どれだけのメーカーがゼファー以降微風用の”17平米”オンリーモデルを作ったことか…)、それでもぎりぎりの風の中、カイトを素早く振ることで進行風を稼ぐという使い方をするには反応と失速性能に自ずと限界があった。つまり、最初の一降りで、プレーニングに入れられなければ、振って速度を稼ぐことは少々難しかったということだ。ところが、新しいゼファーはそれが出来る! この日もボードを少し下らせて、カイトをがんがん振ってやると、気持ち良くプレーニングに入れる事が出来る。旧ゼファーは同じコンディションでもプレーニングに入れる事は難しい。だが、しかし、一つ覚えておいて欲しい事がある。つまり、この状態ではさすがに”下る”ということだ。よくゼファーと比較されるエッジだが、エッジの特性として、”プレーニングできればアップウインド出来る。アップウインド出来ればジャンプ出来る”というのがある。実際、乗り手の技量さえあれば、エッジは13で17クラスと同等の微風性能を発揮する。しかし、最大パワーでやっとプレーニングに入れられる風でゼファーを飛ばした時、アップウインドする事はかなり困難だ。つまりゼファーにはプレーニング出来るけどアップウインドは出来ない風域が存在するという事を頭に入れておこう。この後風は不安定さを増し、沖合でほおっておいたらカイトが落ちるレベルまで風が落ちたことも何度かあったが、2013ゼファーはなんとか粘って一度も落とすこと無く飛び続けてくれた。確信を持っていうが旧モデルなら確実に落としていたと思う場面が一度ならず有った。
第二日目:
 翌日、平塚ビーチパーク、風は南4〜5m。ゼファーのテストにはもってこいのほどよい微風。早速フルパワーで走り始める。カイトの安定感、反応の良さはすでに述べた通り、この日強く印象づけられたのは、ちょっとした波越えのジャンプやポップで感じられる垂直方向のリフトの強さ。飛ぶのは、格段に易しく、楽しくなっている。カイト操作とポップのタイミングが合うと、微風でも高く、滞空時間の長いエアーが簡単にできる。アンディ・イェーツのゼファー・ビデオを見て、え? ゼファーでこんな事出来たんだ! という驚きがあったが、なるほど、この2013ゼファーだったら出来そうだ(僕がアンディのやっていた技をこなせるという意味では無い…)。アップウインド性能は、まずまずではあるが、エッジや、カタリストのごとく”何これ?!”というように驚ろくレベルでは無い。2013ゼファーはフリースタイルや波乗りを意識して、エッジ・オブ・ザ・ウインドゥよりも少し後退したところを飛んでいるそうだから、当然だろう(それが安定感に繋がっているのも事実)。試しに同じライン上をトリムを15cmくらい引いて走ってみたら、登り角が10度くらい上がった。フリーライドの場面などでは、トリムを引いて上に登っておいて、フルパワーに戻して、フリースタイルや波乗りを楽しむという使い方が効率良さそうだ。
総合:
旧ゼファーは、ビギナーや中級者が微風の日の穏やかな水面で存分に練習してスキルアップするのに最適なカイトだったが、上級者目線からすると、動きの速さや軽さ、特に切り返しの反応に不満を残すものだった。そのあたりの向上が今回のモデルチェンジの最大の改良点で、翼端部分の軽量化が寄与していると思われる切り返しの反応の早さ、ぎりぎりの風でも飛び続けようとする失速限界の向上、垂直方向へのリフトの向上など、これまで、乗れるけど、ぎりぎりの風ではあまり遊べない…という意見のあった旧モデルとは異なり、微風でもたっぷり遊べるカイトとして、新しい息吹を与えられている。およそ、あらゆる場面で今までもよりぐっと楽しんでいただける素晴らしいデザインに仕上がっ2013ゼファーだが、唯一お勧めしない使い方がある。それはレース…。アップウインドのレグで、きっとエッジの後塵を拝して悔しい思いをするだろうから、レースに出る事を考えている方は、悪い事は言わない、エッジを選ぶ事をお勧めします。