2012年10月1日月曜日

台風がやってくる前のビーチパークは、それでも青空と陽光に照らされ、フラットな海面がエメラルドブルーに輝く絶好のコンディション。遙か沖や、箱根の山には重苦しい雲がかかるが、それがやってくるまでは、気持ちの良いライディングが楽しめそう。風は、南東4?5mというところ。ゼファーでなら普通にアップウインドが取れるくらいだが決して、しっかり吹いているというほどではない。テストするサイズは12.0を選択。内心、最も2012年モデルからの進化が顕著に顕れているだろうと当たりをつけていたサイズだからだ。
 カイトの製法自体に大きな変更は無い。3ストラット、ワンポンプに大径ボストンバルブ。一目見て最初に気がついたのは、リーディングエッジの中央付近、縫い目から数cmのところにスパン方向に向かって従来には無かったステッチが伸びる。これは、位置からして、リーディングエッジが内圧に負けて破裂するのを防ぐ、プラスアルファの補強が内部に施されていると見た(後でオゾンに確認入れてみます。)。また、従来中央付近のみだったリーディングエッジのつなぎ目の補強(縫い目の保護)が、全ての継ぎ目に施されている。この部分は、地面が固いところで、セルフランチを繰り返したりすると、縫い目が切れて、破断に繋がりがちな部分だったので、極めて妥当な改良。また、従来バックラインの取り付け位置が一カ所で、オプションの無かった2012年モデルに変わって、2013年モデルはC4と同様3カ所でバー・プレッシャーと反応を調整できるようになった。
 カイトをランチングしてみると、弱い風にもかかわらず、しっかりとした手応えを感じる。カイトをエッジで静止させている時のパワーは従来モデルよりも若干上がったように感じる。軽く左右にターンさせてみると、明らかに旋回の質が変わった事に気がつく。C4に比べれば、落ち着いた感覚ではあるが、操作に対するダイレクトな反応とカイトの挙動変化の早さはまさにC4のそれ。弱い上にかなり息をつく不安定な風の中にもかかわらず、カイトは極めて安定して滞空している。フロントラインのトリムはいっぱいまで伸ばした状態。このトリムで、これくらい弱い風の中を飛ばすと、普通、バーを引きっぱなしターンすると、カイトがすぐに失速に入る。しかし、こいつは全くそういう挙動を示さない。試みにバー両端のラバーフォームを引っ張って、バックラインを5cmくらい強制的に詰めて操作してみたが、それでも大丈夫。低速側の粘りはかなり余裕を持って作られているようだ。足りないのは重々承知だが、海に出てみる。ボードはブルノッティの2013オニキス135x40だ。もちろん風はアンダーだが、思い切り振り下ろして板の上に立ってしまえば、素早く反応してくれるカイトの性格を活かして、問題無く走り出す事ができる。こんな場面では、失速する事が無くパワーが途切れない特性がおおいに力を発揮してくれる。ちなみに、2012年モデルでは、10.0までが、こういう、カイトを振って、パワーとスピードを生み出す類いの乗り方が出来るサイズで、12.0以上になると、カイトの速度が追いつかなくて、かえってこういう場面では遅れをとったりしていた。しかし、2013年モデルに関しては、そのあたり、2012の10.0と全く同じ感覚で、カイトを振ることが出来る。同じコンディションでC4 11.0 を使って同じ事を試みたら、やはりカイトがところどころで軽い失速に入って、パワーが途切れるために、極力操作に気を遣っても、同じ結果は導き出せなかった。
 ライディング時の性能はまさにカタリストの血統、従来からの扱いやすさ、乗りやすさに加え、動きの速さがなんとも楽しい。弱い風でもしっかり飛べるし、空中での操作にも実に素直に従ってくれるので、着水操作に余裕をもって臨む事が出来る。このダイレクト感、動きの速さは、試してもらった他のカイトボーダーも同様の見解だった。
 まだ、充分な時間カイトを扱えていないので、現時点での感想なのだが、カタリストは、従来のビギナーから上級者まで楽しく扱えるオールラウンダーとしての位置づけを維持しつつ、C4の血筋を取り入れ、守備範囲を上級者側に広げた、新しい次元のオールラウンド・カイトと言って差し支えない仕上がりになったと思う。まだ、12しかテスト出来ていないので、他のサイズのことはまだ明言できないが、これからは安心して12以上のサイズも上級者に勧めていけるな、と確信できる良い仕上がりでした。