2012年9月30日日曜日

カタリスト2013インプレ(前編)


オゾンの各モデルが今、続々とモデルチェンジしているけど、これまで2013年モデルが発表されたウノ、エッジ、レオなどは、いずれもカイトの基本的なデザインや構成は変更せずに、従来モデルをブラッシュアップしたものばかりだった(実はエッジは必ずしもそうでは無いんだけど、飛んでいる姿を見て、ひと目みて形が変わったというほどではない。)。ところが、カタリスト2013はそうではない。これまで、2006年に発表されたインスティンクトの面影を残しつつ磨き上げられきた、ミドルアスペクトのフラットカイトというカタリストの面影は、2013年モデルにはもはやもう無い。地面に伏せてある姿も、飛んでいる姿も、少々丸くなったC4という体だ。それもそのはず、オゾンはこのカタリスト2013をオープンCシェイプという新しいデザイン思想で、全く新しくデザインしなおして万を持して発売したのだ。
実は、オープンCシェイプでカタリストをデザインし直すと聞いて、内心期するところがあった。おそらく、改良の力点を置いているのは12.0と14.0であろうとにらんでいたのだ。カタリストはビギナーからエキスパートまで楽しく乗ることが出来る実に良く出来た万能カイトだと僕は思っている(しかも安い!)。しかし、あえて厳しい見方をすると、12.0と14.0に関しては、上級者目線で見た時に少々不満が残る。失速特性、パワー特性、アンフック時の挙動、どれも実に素晴らしいのだけど、動きが…ちょっと遅い。昔、カタリストの原型であるインスティンクト・ライトがデビューしたときには、それでも充分感動的だったのだけど、C4を経験して、さらにレオを経験してしまった今となっては、やはり、少々不満が残るのだ。だから、中級者以上のユーザーに乗り換えを相談されると、僕は10.0以下だったらカタリストを勧めるけど、それ以上のサイズの場合は、C4か、もしくは目的に応じた他のモデルを勧めてきた(レースやクルージング指向だったらエッジ、微風用だったらゼファー、波乗り派にはレオといった具合)。
ここまで聞いた人は、「だったらレオで、出来るんだから、カタリストもレオと同じように旋回早くすりゃ良いだろ?」と思うだろう。だけど、話しはそんなに簡単じゃない。…というか、そういう安易な結論でデザインされたカイトなら世の中にごまんと存在する。そんな安易な開発はオゾンの仕事じゃない!
レオは波乗り用カイトだ。波乗りという明確な目的を持ったユーザーを対象にしているから、ある程度割り切ったデザインをしている。たとえば、カイトの速度は波に乗って下った時にラインテンションが緩まないようにあえて抑えてある。旋回は速いが、旋回時に旋回の内側の速度が落ちるセッティングになっているから、サイズの風域以下で、バーを引いたまま、無理にターンさせれば失速する。でもカタリストはビギナーが使う事を想定している。8しか持ってないユーザーが、それでも練習したくて4〜5mの風の中引っ張り出してきてもちゃんと飛んで、下手っくそな操作にもちゃんとついてきて、あまつさえ、うまくいったら走れることが要求されるのだ。だから、レオと同じ手法で旋回を速くしたら、失速はするわ、パワーは途切れるはカイトは落ちるわで、決して”良い"カイトにはならないだろう。
そこでオープンCシェイプを選んだのだろうと僕はロビー(ロビー・ウィットル=オゾンのデザイナー、パラ、ハングの世界チャンピオン・タイトル保持者)の頭の中を想像する。C4を飛ばした事のある人だったら、そのスムーズな旋回性と、旋回時のロスや失速の少なさを知っているだろう。ただし、ハイアスペクトのC4は垂直方向のリフトが強く、無神経な操作には時折、失速したりして不満を示す。でも、そのノウハウをミドルアスペクトのカタリストに投入して、C4の旋回性、カタリスト本来の安定性と、リランチ性を持ったカイトを開発してみたらどうか? ここまで考えたら、新生カタリストがどんなカイトかは飛ばさなくても見当がつこうってものだろう。で、今日台風が来るまで僅かな時間を狙ってビーチパークでカタリスト12.0を試してきたわけである。(続く)

写真は本日カメラを持って行かなかったのでオゾンのもの。