2009年3月6日金曜日

富士山スノーカイト





 折からの降雪で白黒まだらの景色からいきなり真っ白に雪化粧した富士山に行ってきました。富士山はかつて御殿場市営スキー場が有ったあたりが、ほどよい傾斜のオープンな雪面になっていて、スノーカイトには絶好のロケーションなのだけど、なんとも困ったことに南東面。冬場ここにまともに風が入ることは極めて難しい所です。単独峰なので、風もメチャクチャトリッキーで、かつてブリティッシュエアウェイズの旅客機が乱流でたたき落とされた、まさにその場所でもあります。(そういえば、函館の横津岳も飛行機が落ちた場所だったな…)
おまけに、かつて存在したスキー場が今、なぜ無いかというと、数十年に一度起きると言われる雪代という、それはものすごい雪崩にスキー場の施設一切がっさい流されてしまったという、決して安全が保証されているわけでは無いところ。そんなわけで毎シーズンコンディションが良さそうな日に、信頼できる仲間数人と何度か訪れるだけなのですが、コンディションが当たると、それはもうものすごいロケーションでのスノーカイトが出来る特別な場所なのです。で、今回のコンディションはというと…ば・っ・ち・り!でした。というわけでレポートを以下に、なお今回の写真はうまプロの提供です。

 北に偏った高気圧の南西面で次の低気圧が接近中。これが富士山に南東〜南西風が入る極めてタイトなタイミングの配置だがタイミングが難しい。なにせ、低気圧が遠すぎれば風が南に振れてくれず、近すぎれば影響で雲が出て視界を閉ざされてしまう。そんな微妙なタイミングが、ドンぴしゃではまりそうな5日に好き者達とともに富士山に行くことにした。

 風が入るのは早くても10時以降と見立てていたので、太郎坊下部の駐車スペースには10時前に到着。手早く準備を済ませ新五合目を目指す。風が弱い事を見越してカイトはマンタII09の12.0。’08モデルに比べて動きが軽快になり、微風時には強力な味方だ。新五合目の南側のあたりで背後から吹いてくる弱い南東風のブローを感じ、早速カイトを広げる。上げてみると充分風下に進むパワーはありそうなのだが、昨晩降った新雪がおそろしく重く、アンダーパワーでは板が沈んでしまってまともに滑れない。数十m登ったところであきらめて、ボードをバッグにくくりつけてカイトに引っ張らせながら歩いて山を登ることに。根子岳でも、うまくいったが、この方法、ボードで登るにはしんどい時威力を発揮する。1550mの大石茶屋の直下で板を履き、カイトを振り振り、茶屋上部の開けた面に出ると、なんとか12で山をのぼっていける程度の風は吹いている。雪の抵抗が大きく、気持ちよく滑るというほどでは無いが、ともあれ自由に動き回る事は出来る。

 12時を廻り、午後には帰らなければならないすけさんが山を下り始めた頃、12.0ジャストのゴキゲンな南風が入り始めた。ちょうど斜面に90度で吹き込んで来たので、アビームから若干アップウインド気味に走るとまっすぐ富士山を登っていける! 昨晩の雪のおかげで付近一帯は全て雪に覆われラインは自由に取れる。一気に二つ塚の前当たりまで登り、何度か往復して、2100m近辺にある避難小屋を目指す。前回この近くまで登ったバングを見送り悔しい思いをしたので、今回は小屋のあたりまでは行きたいと思っていた。前回バングが攻めていた登山道の北側の面では風がなめてしまうために登れる高さに限界があるので、プランを改めて一旦二つ塚と宝永山の間のコルまで下る。この部分は、ちょうど吹き抜けた風が収束されて、おまけに雪面も良い感じに締まったパウダーで、今回一番気持ちの良い面だった。コルで往復しながら二つ塚の南西面に回り込めるまでアップウインドして、宝永山の南東面から下に下るようにして一気に宝永山を登っていく。小屋のレベルまで到達して後400mほどにまで迫った宝永山山頂にちょいと色気を出した次の瞬間、風の境界面に渦巻く乱流がカイトを捉え、一気にカイトがたたきつぶされた。予想していた事なので、すぐさまプライマリーセキュリティをカットして。次に来る予測不能の事態に備えたが、幸いな事に危惧した突風は吹き込まず、風がまっすぐに山頂から吹き下ろす向きに変わっただけだった。

一息ついて下界を見渡すと眼下には広大な雪面が広がり、その真ん中にぽつんとうまプロのフレンジーFYXが浮かんでいる。雪さえつけば2km×2kmのこの広大な雪面は本州最大のスノーカイト・フィールドだろう。振り向いて宝永山山頂を見上げると、あちこちから吹き込んでぶつかった風が雲を作り不可思議に渦巻いている。目的も達成したし、これ以上の深追いは危険と判断したので、その場でカイトを回収した。滑走を始めるところで斜度は30度近く、雪は降ったばかりのパウダーなのだが、風にさらされた富士山の自然の雪面は見かけほどは滑りやすくない。案の定斜度が緩やかになるまではターンの度に転ぶような有様で、次郎坊のあたりからやっと気持ちよくカーヴィングしながら滑れるようになった。途中で休んでいるうまプロに合流。さらに大石茶屋からスタートするなり、まっすぐ下に下ってしまった蛸走郎さんと合流して、雪に覆われた道路を滑って車に戻った。

2009年3月3日火曜日

白馬開拓









先週末は新たにスノーカイトの導入を検討しているショップへの営業を兼ねて、白馬に行ってきました。土曜は朝からひたすら待って、3時を回ってあきらめかけた頃に4〜5mの風が吹き始め、約1時間マンタII12.0、フレンジーFYX9.0ジャストアンダーくらいで楽しめました。

この場所、夏は田んぼで、あぜ道が縦横に走っているのですが、これが良い感じにキッカーになって結構面白い。雪が少ないので畦を傷めないよう気を遣って走りましたが、充分に雪がついたらかなり面白そう!

二日目は午前中はまず吹きそうもないので、以前から気になっていた八方山に精鋭を引き連れて行ってきました。レポートは以下のとおり。

天気は晴天、雲が所々にあり、低い雲の雲底はゲレンデの中腹にかかっているので、視界を失う可能性に配慮しつつ、9時頃にゴンドラリフトの山麓を出発。リフト3本を乗り継いで山頂に立つとそこはれっきとした雪山(写真1)。このロケーション、やはり八方は凡百のスキー場とは違う。

景色にかなりびびりつつ。登山計画書を提出し、山を登り始めた。ゲレンデをわずかに300mほど離れて、傾斜の緩やかなところでスノーカイトをして帰ってくるだけなので、登山計画書を出すべきなのか悩んだが、一応ゲレンデから出る以上はと思い山荘のポストへ投函。

狙いの八方山は250m四方程度の緩やかな丘上の山頂部。周囲は西側以外はすとんと切れ落ちた急斜面なので、飛ばされて引きずられたりしたら滑落は必至! このあたり敷居が高いのだが、滑る範囲は全然問題なし。風は西から山を越えた風が、かなり息をついて吹き下ろしている。風速は無風から6〜7mというところ。下界はまったく無風の高気圧どっぷりの日に来てこれだから、この場所は”吹きそうな”日に来ては、とてもやばくてカイトを揚げられないだろう。

吹き下ろしの風とはいえ、これだけのロケーションと変化に富んだ地形はかなり面白い。おまけに雪はクラストした雪面にうっすらパウダーが乗ったかなりベストに近い状態。少々狭いのと吹き下ろしなので、思うようにジャンプ出来ないのがもどかしくもあったが、それを補ってあまりまくりの景色に山岳スノーカイトの醍醐味を感じた。

午後からは下界のゲレンデで滑る予定なので、11時には切り上げて、八方のゲレンデへ下山した。


この後、12時半には他のメンバーと合流して風を待っていると、土曜よりは早く、1時過ぎには北風が入り始め、各自思い思いに3時過ぎまで滑走していました。ちなみに帰りに寄った大町の焼き肉や「ソウル」激ウマでした。白馬の帰りの定番店に決定です。