2009年1月29日木曜日

ブレードランナー

SF映画大好き少年だった自分としてはお恥ずかしい事ながら、今夜初めてブレードランナーのディレクターズカット最終版なるものを見ました。この作品、僕が高校生の頃初公開されて、重厚な世界観や、ルトガー・ハウアーの好演に感銘を受けたものの、イマイチぐっと来るものが無かったという印象だったのですが、本日、より監督の本来の意図に近い、この作品を見て良く判りました。あの説明たらしい主人公のモノローグと取ってつけたようなハッピーエンドが作品を駄目にしていたんですねぇ。
もともと原作の「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」は自分がロボットであることに気づいていないロボットというアイデアがベースになってできあがっている小説ですが、ディレクターズカット版はよりその部分が強調されています。モノローグ無しで見ると作品の隅々にちりばめられた「人間とレプリカントとの間に違いなんて無い。追っているデッカードだってレプリカントかもしれない。」というサインが見えてきます。ちなみに原作はレプリカント達の策略によってデッカードが自分もレプリカントかもしれないと思い出して、訳がわからなくなるけど、一応ちゃんと人間だったという話なのですが、映画はそのあたり、観客の見方にゆだねようとしているかのように見えます。
モノローグの無い作品を見て強烈に浮き彫りにされた監督の意図はどちらかというと、そんな人間かレプリカントか? なんていう問答なのではなく”記憶”なのだろうと思います。作品の中で何度も印象的に登場する紙焼きの写真。人間が思い出を固定するために作った象徴的な媒体です。肝心な場面で流れる感傷的な曲の名は「Memmory of green」(うろ覚えゆえ間違っていたら失礼!)。ラストでロイがデッカードの命を奪わないのも、劇場版のモノローグが語っていた「命の大切さを理解した」なんて陳腐な理由ではなくて、自分やプリス他の仲間の記憶をデッカードの中に残して生を終わらせたかったに違い有りません。生に限りがあるのは仕方がないから、せめてその記憶を誰かに引き継いで人はその生涯を全うしていく、その事に人もレプリカントも変わりは無い。だから、別にレイチェルの命が短くってもアンハッピーでは無いんです。だって、その記憶はデッカードに残るから。

参考までにこのあたり原作はレプリカントはとことん感情移入という事が出来ない人造人間で、はっきり人間とは異なるという解釈で描かれていますから、「ブレードランナー」と「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」は全くの別物ですね。

あーあ、忙しいのに懐かしくてちらりと見始めたら最後までのめり込んだ挙げ句にこんなものまで書いてしまった。反省して仕事に戻ります!

2009年1月25日日曜日

美ヶ原ミーティング

この週末は中止になったスノーカイト大会の代わりに参加を予定していた選手達と非公式に美ヶ原にてスノーカイトを楽しんできました。
コンディションの方はX-FLYの掲示板に書いたとおりです。

で、ここで書きたいのは風が強くなったときのインスティンクト・シリーズの活躍っぷり!
スポーツ7.0、9.0、ライト8.0をセットしておいたのですが、使ってみたら恐ろしくスムーズで、安定感たっぷり、パワーも安定して発揮してくれるし、反応は早いし、落としてもすぐにリランチできて、リランチ時のパワーの出方もスムーズと良いことづくめ。スノーカイトのミーティングなのに、同じオゾンのラムエアーカイトを’09インスティンクトがすっかり食ってしまった感がありました。

ま、バルブが固くってしっかりしめられないとか、空気入れるのがしんどいとか、一人で上げ下ろしが厳しいとか、ラムエアーのが良い点は山ほどあるんですが、ひとたび上がって走り始めてしまうと、強めのコンディションではインスティンクトの天下でした。
うーむこれからはお客さんに勧めるカイトを少し考え直した方が良いかな?
と思わせるほどの完成度でした。

2009年1月23日金曜日

インスティンクト・スポーツ+11.0のインプレッション

続いてインスティンクト・スポーツ+。セッティングしていて最初に気がつくのはリーディング・エッジ、ストラットが太くなった事。コンベンショナルなブライダルと相まって'08インスティンクトの持っていた外観上の強烈な個性は薄れています。細かいところではリーディングエッジとストラットを繋ぐホースのストッパーカバーがライクラ素材からネオプレーンに変わった事。
多分このストッパーのせいであろうけど、たまにカイトのクロスが傷んでいる事があったので、この変更は歓迎です。

バー廻りはライトXCと同じ。今季モデルは全モデル、全サイズとも共通の54cmバーでサイズによってフラッグアウトシステムのストッパーボールの位置を調整するだけになっています。ワンポンプとの組み合わせでセッティングに要する時間はライトよりも早いです。

カイトを揚げるとさすがにライトとは違い、カイトを静止させていてもしっかりとしたパワーとトルクを感じます。実はこのあたりもライトとスポーツの大きな違いで、ライトはカイトを静止させているときはあまりパワーがかからず、振ったり、スピードがついたりすると一気にパワーを発揮し始めるセッティングです。(ちなみにライトのこの傾向は’09モデルになってだいぶ軽減されたので、ライトとスポーツの差はここでも小さくなりました。)
スポーツで走り始めて最初に感じたのは、進行風の役割が小さくなったかな? という点です。従来のインスティンクト・シリーズは進行風命というところがあって、小さいサイズでもスピードに乗せてやればなんとかパワーを出してしまうようなところがありました。反面、速度が乗っていないとパワーが充分でないので、体重の重い人がアンダーで小さめの板で乗るには少々不向きでした。しかし、今季モデルはカイトを進行風がかかるまえからしっかりパワーとトルクを発揮してくれるので、走り出しがよりイージーです。ではオーバーになったらどうだろう?という不安が首をもたげますが、ご心配無く、’08モデルよりもスムーズなカーブを描いて、しっかりデパワーできます。トライするために強いブローのあたるところに行ってわざと速度を上げて暴走に入れようとしてみましたが、この日の風くらいではフルデパワーすれば全然コントロール可能な範囲までパワーを落とせてしまいます。
旋回性については8.0から、いきなりの乗り換えなのでさすがに遅さを感じます。11m2なので、カイト自体の飛行速度の関係で8と同じようにはいきません。ただ、プーリーなどは一切挟まっていないので、カイトの動きはダイレクトにバー操作に対応していて、反応の遅れやぎくしゃく感は一切ありません。
ジャンプはすごく良くなりました。滞空時間があるのもさることながら、低速からのジャンプでもしっかりつり上げていてくれるので、充分いろいろな事をする時間があるし、空中からの振り下ろしにもしっかりカイトがついてきてくれるので、着水の体制に入ってからカイトを振り下ろしても間に合います。アンフック時の挙動も良くなっているそうですが、こちらはテスターの技量不足によりテスト出来ず(汗)。
スポーツ11はいじわるなリランチテストをやってみました。普通に落としてあげるだけでは無く、ラインをたるませたり、真っ逆さまに落としてみたり、結果リランチ率は100%でしたが、’08以前にはあった逆転防止装置(スパンライン)はなくなったので、上面が接水した状態で着水すると裏返る恐れがあります。テスト中にも一度裏返りかけましたが、結局何度か水の上でもぞもぞやっている内に元に戻ってリランチしました。

2009年1月21日水曜日

インスティンクト'09インプレッション!

先日届いたばかりの'09インスティンクトを試しに富津まで行ってきました。
朝6時過ぎに自宅を出て、一路富津へ、ベイブリッジの風速計は9m/sの表示。スポーツの7やライトの8を試すにはちょっと足りない気はするが、ともあれ、ビーチへ向かいました。
8時20分頃にビーチに着いてまずは一番興味のあるライトXCの8.0をセットアップ。
早速試してみました。

インスティンクト・ライトXC8.0のインプレッション
富津の北海面、東京湾の風速9mで、'06くらいのベガス10が走っている、8を試すには少し弱めのコンディションでした。
まず、セットアップ。ずばり、'09ライトはワンポンプではありません。どうもスクールで使われる事の多いライトは荒っぽい使われ方でパンク修理をする事が多いので、ワンポンプをやめてくれというリクエストが多かったようです。ま、たったストラット3本ですからこれは良しとしましょう。ストラットが3本という基本レイアウトは変わりませんが、今季モデルではチップ側のストラットがだいぶ中央よりに移動しました。
’09モデルはストラットとリーディング・エッジの径が少し太くなっているのですが、8.0ではそんなに太くなったという印象は受けません。結構細いっす。排気バルブが寒さ(気温2.9度!)ですっかり固くなっていてフタをするのが一苦労…… というか最後までは入れられず、そのままベルクロでロックして乗ってしまいましたが問題ありませんでした。給気バルブには従来のものとは違うベルクロ+バンジーで固定するキャップが採用されていました。これはしっかりロックされそうで良さそうです。
ラインセットアップはやはり1本減ると違います。スパンラインも無くなったのでカイト側のブライダルの整理も簡単。プーリーも無いので、現行のSLEモデル中最もシンプルなんではないでしょうか?  バー廻りもシンプルで、前モデルからの変更点はフラッグアウトセーフティーのリーシュがバーを通してチキンループの脇に来ている事。チキンループ・ラインがプラスティック被覆に戻った事などかな。
走り出してみるとやはりコンディションに対しては少し小さいようで、8.0はジャストアンダー。ブローが入る時以外は振ってやらないといけないくらい。ライトIIまでの特徴だった操作のヒラヒラ感はいくぶん少なくなった気がします。バックラインは明らかに’08モデルと違いしっかりと張っている感じで、バープレッシャーも幾分重くなっています。ただし、後で初めての人に試してもらったら「チキンループにはしっかりパワーがかかっているのにバーは全然軽くて、初めて体験する感覚でした。」というコメントをもらったので、やはりまだ相当軽いみたいです。操作性の一番大きな違いはデパワーしたときです。ライトでフルデパワーしても全然普通に動きます。実は'08モデル以前のライトとスポーツの一番大きな違いが、このフルデパワー時の操作性だったのですが、これはもう完全に解消。もはや、ライトとスポーツの違いはパワーの出方と操作性の味付けだけという感じです。また、以前のモデルでは起こってしまったデパワー時のトレーリング・エッジのばたつきが今季モデルでは見事に押さえられていました。やはり中央に寄ったストラットの効果でしょうか。
ジャストアンダーにもかかわらず、しっかりスピードをつけてから振ってやるとちゃんとジャンプ出来ます。これはジャストオーバーくらいになったらさぞや気持ちよく飛ぶことでしょう。スポーツを試乗した海外のライダーのインプレで滞空時間が15%増しになっているというのがありましたが、実感します。やがて、風が落ちてきて、アップウインドが厳しくなりどんどんビーチに戻り始めたので、サイズを代える為に僕も戻りました。しかし、風が落ちてもカイトが失速する気配やパワーが変に抜ける事も無く、操作した分だけのパワーをコンスタントに出してくれるあたりさすがライト・シリーズです。

つづく